2015/02/15

バスティアン・ポンの中間地点

エッチングの腐食液にさらしたようなざらついたテクスチャー。そこを幽鬼のような人影がゆきすぎてゆく――バスティアン・ポン (Bastien Pons. 1968-) が切り取ったモノクロームの日常風景には、独特の空気が漂っている。いや、正確にいうと、空気が凍りついて、あらぬ世界をかいま見せてくれる。
そこでは人が暮らし、活動しているのですが、だれもかれも彼岸の人のようで、生が孕んでいる死の影を思わせる。しかし、それは死の世界ではなく、あえていえば中間地点のような場所ではないだろうか。