2014/03/15

カール・ブロスフェルトの詳細植物写真

19世紀末から20世紀という時代の変革期に、ドイツで活動した一風変わった写真家がいる。カール・ブロスフェルト(Karl Blossfeldt, 1865-1932) はベルリンの彫刻教師だったが、学生たちの教育のためにディテールにこだわった植物写真を数多く撮影した。写真は独学で、しかも残っているのはすべて植物を大写ししたものばかりだ。つまりある種の植物研究写真と呼ぶのがもっとも適切かもしれない。

ブロスフェルトのなかには、すべて必要な造形は自然のなかにあらかじめ予見されているという考えがあったらしい。そのため、自然研究に没頭し、35年ものあいだ、徹底して植物の花や蕾、芽、茎、種子などを撮り続けた。そこにはしかし、機能を越えた奇妙さという美が感じられる。

こうした彼の仕事は、植物の構造を解き明かすとともに、写真の世界にも革新的なものをもたらしている。その造形はときにガウディの建築のようであり、オキーフの絵、パリの街灯、あるいはアフリカのプリミティヴな仮面のようでもある。今日ではブロスフェルトの写真集『芸術の原型』(Urformen der Kunst,1928年)は、新即物主義(Neue Sachlichkeit)が写真に及ぼした影響として語られたりもする。


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