2014/01/21

エリオット・ポーターの色彩



どこかの庭先だろうか。低い塀に腰かけ、大判カメラを抱えている青年の写真が残っている。その眼差しはどこか科学者を思わせるのものだが、それはこの写真家のハーバード大学医学部卒業という経歴を知っているからだけではない。あらためて眺めてみても、理知的な輝きをそこに感じることができる。

2014/01/08

古屋誠一の「記憶」 (下)

(承前)
古屋誠一は1950年、静岡県で土建業を営む家に生まれた。72年に東京写真短期大学を卒業し、その翌年、シベリア経由でヨーロッパに向かっている。東欧から、オランダ、ドイツ、さらに旧東ドイツを経て、87年にオーストリア第2の都市グラーツに移り住んだ。
その間、78年にクリスティーネと結婚。85年に彼女の自殺によって結構生活に幕が引かれるまで、8年間をともに暮らしている。

2014/01/01

古屋誠一の「記憶」 (上)

過ぎ去ってゆくものを、繋ぎとめようというのではなく、過ぎ去るままに写しとろうという視線。それはなかなかに困難な所業だ。愛惜の思いはだれしもが強く感じることで、しかし、それを懐深く抱えこみながら、シャッターを切る。写真とは残酷なものだ、と。