2012/10/18

舞踏論2/2 : 舞踏と空虚

(承前)
スペインの建築思想家イグナシ・デ・ソラ=モラレス・ルビオー(Ignasi Sola-Morales Rubio)は、なんらかの一連の出来事が起こったのちに放棄された空虚な場所を「テラン・ヴァーグ」(terrain vague)と名づけている。都市の中心部に位置する活気に満ちた場所ではなく、その周縁部で朽ち果てていこうとしている場所。たとえばビルの隙間、生産をやめた工場の廃墟、開発途中で打ち捨てられた荒地――。それらはゲニウス・ロキの片鱗もないというのに、なぜか人を魅了してやまない。

2012/10/13

舞踏論1/2 : 土方巽の風だるま

人体までがそのままコピーされ、複製された生命の誕生も可能となっている時代だ。オリジナルが求められ続けた芸術の世界では、時代に先駆けるようにして、一足先にコピーへの動きがあった。しかし、起源をたどれば絵を描いたり、歌を歌ったり、踊ったりすることはなにかの模写だった。だとすればオリジナルということが、かなり怪しいものに映ってくる。自己表現という言葉にも、胡散臭さがつきまとう。むしろ、模倣すること、剽窃すること、化身することで、ある種の普遍性が誕生し、同時にそれでもなお失われることのない個性が浮かび上がってきたりもする。