2012/08/15

石内都の傷

石内都の写真をはじめて目にしたとき、ずいぶん哲学的な作品だなぁという印象をもったのを覚えている。個人の資質によるのはもちろんだが、時代の影響という面も大いにあるだろう。

石内は1947年群馬県に生まれ、横須賀に育った。団塊の世代である。多摩美術大学で織を学んだ石内が、写真を撮りはじめたのは70年代後半になってからだという。すなわち30歳のころからだ。政治の季節は終わり、時代は内向からシラケに移っていた。そのなかにあって、79年『アパートメント』で木村伊兵衛賞を受賞。その後も精力的に写真集を刊行し、国内外で展覧会を行うなど、日本を代表する写真家となっていく。

2012/08/01

ホンマタカシの風景

ホンマタカシ(1962-)1998年に写真集『TOKYO SUBURBIA 東京郊外』を出版し、木村木村伊兵衛賞を受賞した。そこで提示されているのは、文字通り東京の郊外空間を形づくっている均質で単調な景観であり、そこに暮らす子供たちの姿だ。ニュータウンの風景や子供たちの、表面的な美しさのなかに感じられるある種の居心地の悪さ。それがホンマ写真を特徴づけていた。