2010/06/10

フェロノーの豊かな幻影

パスカル・フェロノー(Pascal Fellonneau)というフランスの写真家について、私はほとんどなにも知らない。1968年にボルドーで生まれ、少年時代の多くをブドウ農園をもつ祖父のtころで過ごしたと写真家自身がウェブサイトに記している。その農園の写真は、愛情に満ちて、人の暮らしの匂いがする。都会ではない、田園地帯の豊かな薫りだ。

この写真家がどういうつながりがあったのか、アイスランドの風景を数多く作品化している。おもちゃの国を連想させるような建物と、はかなげな淡い色をした自然。そこにはボルドーほどの太陽の恵みはないが、清潔で、やはり人の暮らしを感じさせる。

ホンマタカシのアイスランドよりもさらに淡い。人との距離が遠い。にもかかわらず人の気配がある。ときに人がいたという過去の幻影を見ているのかと思うことさえある。その不思議な感覚が見る者を惹きつける。
アンドレアス・グルスキーらドイツの現代写真にも似たような感覚を覚えることがあるが、彼らのもつ批判的な眼差しからは遠い。フェロノーの幻影には豊かな生がある。

※ Pascal Fellonneau's Website

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